高画質な動画をシェアするほど、データ量も多くなるのかな?
こんな疑問に答えます。
Zoomの画面共有は、パソコンモニターに表示されている映像そのものを、参加者と共有することができます。最近は、デスクトップやノートを問わず、ハイビジョン(HD)やフルハイビジョン(フルHD)、中には4Kモニターなどを使っている人もいますよね。
そんな中、この画面共有ではモニターに表示されている映像そのものを送信するので、データ通信量が気になる方も多いと思います。そこで、本記事ではさまざまな画質の動画で、画面共有をした時の通信量を調べました。ギガ制限やパケット通信量が気になっている方は、是非、参考にしてください!
【Zoom画面共有】画質と通信量は関係ある?
画質と通信量って、やっぱり関係あるのかな?
まずは、結論を最初に言わせてもらいますね!
画面共有の通信量は、再生している動画の画質に関係がない。
関係があるのは、動画の画面サイズです。
Σ(ОД○*) 画質は関係ないの?
というのも、YouTubeで再生する画質を144P~1080Pまで変えて、Zoomの通信量を調べましたが、大きな変化は見られませんでした。一方で、以下のように画面全体をZoomで共有している時、YouTube再生の画面サイズを変えると明らかな通信量の変化(約半減)が確認されました。
この結果は実に驚きで、144P~1080Pの画質の差は、これほど違うものです。144Pではほとんど文字は読めないにも関わらず、Zoomの通信量が変わらないのは不思議ですね。
ちなみに、ビデオ通信の場合は、受信側の画面サイズを小さくすると、通信量も少なくなります。しかし、画面共有ではこのような現象は見られず、受信側のサイズに関係なく一定の通信量となります。詳しくは以下の記事で検証していますので、興味がある方はのぞいて見て下さい。
画質と通信量の調査結果|YouTubeで検証
検証方法と結果を見せてもらえる?
それでは、これから検証結果を紹介していきます。
検証方法の概要ですが、Zoomの画面共有はモニター全体を共有して検証しています。そして、YouTubeは『全画面モード』と『通常表示』の2種類の表示方法で、画質を変更して再生しました。通信量の測定は、パソコンの「ネットワークと共有センター」から「イーサネット接続の状態」にて、『送信』のデータ量でカウントしています。
■検証条件の詳細
✓ハード面
・送信用パソコンと受信用パソコンの2台を使用
・モニターはハイビジョン(HD)を使用
✓Zoom設定
・両パソコンともマイク、ビデオ通信はOFF
・送信しているのは映像のみで音声共有はなし
・画面全体(画質:1360×768)を送信
✓YouTube設定
・送信側のパソコンで画質を変更して再生
・全画面モードと通常表示の2種類で検証
✓データ通信量の測定
・送信側のパソコンで『送信量』を測定
・10分間測定した結果を比較
「送信側でYouTubeの再生をするなら、YouTube自体の通信量もカウントされているのでは?」と疑問に思う方もいるかと思います。確かにカウントされはしますが、それは『受信量』としての値であり、『送信量』へはほとんど影響がありません。
また、「パソコンで『イーサネット接続の状態』から調べた通信量は正確なのか?」と思う方もいるかもしれません。それについては、こちらの記事で検証済みで、ドコモ公式アプリ「My docomo」と大差ない結果が出ていますので、ご安心を!
全画面モードで再生した時の検証結果
それで、結果はどうだったの?
まずは、YouTubeを全画面モードで再生した時の通信量を紹介しますね。
結果は以下の表の通りです。144Pから240P、そして360Pの間はわずかに上昇しているようにも見えますが、それ以降は10分あたり100MBの通信量で一定になっています。
YouTube再生画質 | Zoom通信量 |
144P | 84.1 MB |
240P | 95.0 MB |
360P | 100.8 MB |
480P(SD) | 102.0 MB |
720P(HD) | 101.5 MB |
1080P(フルHD) | 99.8 MB |
Zoomで画面共有をされている側のパソコンで見ても、360P以上となると画質の違いは分かりませんでした。
通常表示で再生した時の検証結果
それでは次に、通常表示で再生した時の検証結果を見てみましょう。
こちらは以下の表のとおり、すべての画質において10分あたり40MB程度と差が見られない結果となりました。
YouTube再生画質 | Zoom通信量 |
144P | 40.4 MB |
240P | 37.4 MB |
360P | 40.2 MB |
480P(SD) | 41.5 MB |
720P(HD) | 40.0 MB |
1080P(フルHD) | 42.5 MB |
こちらも同様に、Zoomで画面共有をされている側のパソコンで見ましたが、画質の違いはよく分かりませんでした。
これらの検証結果をまとめると、Zoomの画面共有は以下の結論となります。
① 画質を変えても、通信量は変化しない
② 動画再生の画面の大きさで、通信量は変化する
【おまけ】画面の一部分のみを共有した時の通信量
Zoomには画面の一部だけを共有する方法があると思うけど、それではどうなるの?
ここからは本題からそれて、おまけの検証になります。
Zoomには、画面の一部分のみを共有する機能があります。画面共有の選択画面にて、「詳細」→「画面の部分」とすれば使えます。
共有される領域は、画面全体を共有している時と同じで、緑色の画面の内側になるので、その領域をYouTubeの再生画面の大きさに合わせて検証しました。
画質ごとの通信量は、以下の表のとおりです。こちらも10分あたり約40MBとなり、通常画面表示の通信量と同じ結果となりました。
YouTube再生画質 | Zoom通信量 |
144P | 40.0 MB |
240P | 44.6 MB |
360P | 49.8 MB |
480P(SD) | 42.8 MB |
720P(HD) | 47.6 MB |
1080P(フルHD) | 48.0 MB |
共有している画面領域が「1360×768」から「726×412」と、3.5分の1に小さくなりましたが、通信量は変わらないのですね。このことから、Zoomの画面共有は、動画のように変化している領域は送信するが、変化のない画面領域は送信していないことが分かりますね。
まとめ
Zoomの画面共有にて、画質と通信量の関係を調べました。Zoomの全画面共有にて、画質を変更したYouTube映像を、2つの再生方法(全画面モード”赤色”、通常表示”黄色”)で検証しました(下図参照)。
結論としては、動画の画質によらず通信量はほぼ一定であり、再生されている画面の大きさで通信量は大きく変化することが分かりました。
また、YouTubeを通常の大きさで再生している時、Zoomの画面共有を全画面”黄色”と一部分”青色”に変えて検証した結果、同じ通信量でした(上図参照)。このことから、Zoomの画面共有は変化している領域を送信し、変化していない領域は送信していないことが分かります。
今回の検証は、動画の映像のみを共有した時の通信量になります。音楽やBGMを共有した時は、10分あたり約10MBのデータ量が追加になりますよ。詳しくはこちらの記事で検証していますので、興味のある方はチェックして下さい。
☆おわり☆